日本
5Gエクスペリエンス・レポート
2021年10月
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
100ポイント中89.8のスコアで、ソフトバンクユーザーは、5Gに接続して、日本で最高のマルチプレイヤー・モバイル・ゲーム・エクスペリエンスを享受しています。ソフトバンクのみが「素晴らしい」(85以上) の5G ゲーム・エクスペリエンスを提供していました。2位の共同受賞はau (80.9)と楽天 (82.1) で、どちらも「良い」カテゴリー(75<85)となりました。
また、5Gゲーム・エクスペリエンス・アワードに加え、ソフトバンクは5G音声アプリ・エクスペリエンスを単独で獲得し、5Gビデオ・エクスペリエンスでは楽天と共同受賞となりました。5G音声アプリ・エクスペリエンスは、リアルタイム音声チャット用のLINEやWhatsAppなどのモバイル・コミュニケーション・アプリの使用を反映しており、5Gビデオ・エクスペリエンスはユーザーがモバイル・ビデオ・ストリーミングの品質をどう体感するかを定量化します。
5G到達率と 5G 利用率の両アワードを受賞したNTTドコモのユーザーは、5Gサービスへの接続が最も簡単だと評価しています。 10ポイント中2.2の5G到達率スコアは、ユーザーがアクセスするすべての場所と比較して5Gが見つかる場所の割合を示しています。同様に5Gの利用率はユーザーが有効な5G接続につながる時間の割合を示します。最近Opensignalが報告したように、2020年の5Gの遅い初期導入後の2021年の間に、日本のオペレーターは5G到達率と5G利用率の療法を伸ばしています。
楽天が5Gアップロード・スピード・アワードを受賞したのは驚くに値しません。なぜなら前回のOpensignalによる分析や レポートでは楽天ユーザーのアップロード・スピードが優れていたためです。また楽天ユーザーは5Gダウンロードの平均速度が224.3 Mbpsであることを確認しました。第2位は 161.4 MbpsのNTT ドコモです。しかし5G到達率に関しNTT ドコモの2.2と比較すると楽天のスコアである0.3は、各オペレーターの中でスコアが最も低いため、ユーザーはNTT ドコモの5Gの方が見つけやすく体感しやすいのです。
全ユーザーのエクスペリエンスを比較したJAPAN モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートで全4オペレーターのダウンロード・スピード・エクスペリエンス・スコアを比較すると、5Gダウンロード・スピードは遥かに高速です。ダウンロード・スピードの総合的エクスペリエンスは24 Mbpsから52.4 Mbpsですが、5Gダウンロード・スピードのスコアはすべて100Mbps以上で、139.6 Mbps (ソフトバンク)、151.1 Mbps (au)、161.4 Mbps (NTT ドコモ)、 224.3 Mbps (楽天) という驚異的速度を誇ります。5G技術が今後10年で進化すれば、これらの速度も向上していくでしょう。
日本のモバイル・オペレーター全体で5Gモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスについてのOpensignalの初レポートでは、 3オペレーター (NTT ドコモ、ソフトバンク、楽天) で受賞したアワードをご覧になれます。
日本はまだ 5G 時代が始まってすぐの段階です。一般的に、モバイル・ネットワーク技術の世代は少なくとも10年続きます。日本のモバイル・オペレーターのうちの3社はちょうど1年前の2020年3月に5Gを開始しました。楽天は2020年9月30日に5Gを開始しましたが、今日まで5Gに構築し4Gネットワークに注力してきました。従来の3Gおよび4Gと同様、ユーザーが享受する5G技術と5Gエクスペリエンスは、 5G 時代中に着実に向上します。今日の5Gエクスペリエンスはまさに始まりにすぎないのです。また、2021年の急速な普及の加速とともに、全4オペレーターはいずれも5Gネットワークの拡大による全国展開を目指しています。
無線スペクトラムの通信容量を追加することで、モバイル・エクスペリエンスが向上します。日本のモバイル・オペレーターが導入した新しいスペクトラムは、5Gが従来の4G技術よりも優れている大きな理由です。総務省が 5Gに活用可能なテレビ・スペクトラムを発表しているため、今後数年間で 5Gに活用できる電波が増えていきます。
5Gの設計者がモバイル・ネットワークの遅延の向上を目指しているため、5Gに最も関心がある分野の1つがモバイル・ゲームです。日本では、eSports が力強い成長を遂げています。Opensignal独自のモバイルゲーム・エクスペリエンス評価は、マルチプレイヤー・ゲーム・エクスペリエンスを定量化します。
5Gはすでに旧来の技術よりはるかに優れており、5Gゲームや5Gビデオ・エクスペリエンスでも圧倒的です。このモバイル・エクスペリエンスの向上は、この5Gエクスペリエンス・レポートの結果をモバイル・オペレーターのJAPAN モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートと比較すると非常にはっきりしています。このレポートでは、5Gスマートフォンと5G通信プランを持つユーザーを含めたすべてのユーザーのエクスペリエンスを分析しています。
本レポートでOpensignalはユーザーの5Gエクスペリエンスにおける4オペレーターの大きな違いを認めました。本レポートで使われた実際の測定値は、2021年6月1日から8月29日までのものです。
5Gモバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード 日本 | ||||
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2021年10月, 日本レポート |
N
NTT DoCoMo
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R
Rakuten
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S
SoftBank
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a
au
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5G利用率
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5G到達率
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5Gビデオ・エクスペリエンス
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5Gゲーム・エクスペリエンス
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5G音声アプリ・エクスペリエンス
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5Gダウンロード・スピード
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5Gアップロード・スピード
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モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞者 |
2021年10月,
日本
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5G利用率
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N
NTT DoCoMo
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5G到達率
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N
NTT DoCoMo
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5Gゲーム・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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5G音声アプリ・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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5Gダウンロード・スピード
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R
Rakuten
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5Gアップロード・スピード
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R
Rakuten
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モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞引き分け |
2021年10月, 日本
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5Gビデオ・エクスペリエンス
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R
Rakuten
S
SoftBank
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NTTドコモは3.1%のスコアで5G利用率アワードを受賞しました。5G利用率は、ユーザーが有効な5Gに接続している時間の割合を表します。スマートフォンのユーザーが5Gエリアにいても5Gに接続していない場合、その時間は5Gの利用率スコアから除外されます。
ユーザーが最も多くの時間を過ごす場所 (通常は自宅や職場) は、5G利用率のスコアに最も貢献します。初期の5Gサービスでは、建物内に入りにくい高い周波数帯を使うと、ほとんどの職場と自宅が屋内のため、スコアが下がる可能性があります。モバイル・ネットワーク・オペレーターが、屋内に入りやすい周波数帯など、より多くの種類のスペクラムで5Gを導入し、5G対応の基地局数を増やすと5Gの利用率が向上します。2021年~2022年の間に、全4オペレーターが5Gネットワークを拡大しています。
NTTドコモは、10ポイント中2.2ポイントのスコアで5G到達率アワードも受賞しています。5Gの到達率はユーザーが5Gを体感する場所の割合を反映します。僅差でソフトバンクとauがそれぞれ1.4と1.3のスコアを獲得しています。しかし、楽天のスコアはわずか0.3で出遅れています。これは、新規参入のモバイル・ネットワー・オペレーターが4Gネットワークを5Gネットワークと並行して、また優先的に構築することに重点を置いてきたことがわかります。
特に全オペレーターで、Opensignalユーザーが5G (5G到達率) を捉える場所の割合は、ユーザーが5Gにつながっている時間の割合を上回っています。最も可能性が高いのは、現地点の屋内外の5Gエクスペリエンスの違いによるものです。5Gに接続する時間は、5Gが建物内にどれだけ入れるかに影響を受けるためです。
ソフトバンクは、スコア78.6で5Gビデオ・エクスペリエンス・アワードを共同受賞しました。楽天の信頼区間が広いため、スコアはソフトバンクと統計的同点の74.9でした。このよう区間の広さは、楽天の5Gビデオユーザー数が少なく、そのユーザーが体感した5Gビデオ・エクスペリエンスのスコアが大きく異なるためです。楽天が5Gサービスを拡大し、5Gの顧客を獲得するにつれ、信頼区間が狭まり、他のオペレーターのスコアに比べて平均スコアが変化する可能性が高まります。
5Gビデオ・エクスペリエンスは、5G接続時の実際のモバイル・ビデオ・ストリーミング・エクスペリエンスの品質に対するユーザーの認識を反映しています。この基準は国際電気通信連合 (ITU) ベースの手法から派生しています。この手法は、画質、ビデオの読み込み時間、失速率などの技術パラメータと、実際に人々が体感し報告したビデオ・エクスペリエンスとの関係を派生させた詳細な調査に基づいて構築されています。ビデオ・エクスペリエンスを計算するため、エンド・ユーザー・デバイスからのビデオ・ストリームを直接測定し、このI TU手法を使って、各オペレーターの全体的なビデオ・エクスペリエンスを0-100スケールで定量化します。テストされたビデオには、さまざまな解像度が含まれ、世界最大のビデオ・コンテンツ・プロバイダから直接ストリーミングされます。
マルチプレイヤー・モバイル・ゲームにおいてソフトバンクは新しい5Gゲーム・エクスペリエンスカテゴリーで100ポイント中89.8のスコアを獲得し、圧勝しました。次点は各80.9と82.1と統計的同点でauと楽天となりました。
5Gゲーム・エクスペリエンスは「バトルロイヤル」やMOBA (マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ) など、世界中のさまざまなゲーム・ジャンルのサーバーに接続された5Gを使用して、モバイル・デバイスでリアルタイムのマルチプレイヤー・モバイル・ゲームのプレイ体感を定量化します。バトル・ロイヤルゲーム例にはPUBG、フォートナイト、Garena Freefireがあります。またMOBAタイトルには伝説対決も含まれます。
この手法は、実際にモバイル・ユーザーから報告されたように、技術ネットワーク・パラメータとゲーム・エクスペリエンスの関係を定量化する数年にわたる調査に基づいて構築されています。これらのパラメータには、遅延、ジッター (遅延の変動) およびパケット損失 (送り先に届かないデータ・パケットの割合) が含まれます。
100ポイントスケールで85のスコアを獲得したソフトバンクは、5G音声アプリ・エクスペリエンス・アワードを受賞しました。ここでも5Gゲーム・エクスペリエンスと同様、楽天とauはそれぞれ82.9と83.3というスコアで同点2位となっています。このようなモバイル・オペレーターのユーザーは、5G (80<87) における「良い」エクスペリエンスを享受していますが、NTTドコモは「普通」範囲 (74<80) でした。5G音声アプリ・エクスペリエンスでの「良い」とは、満足しているユーザーが多いという意味です。一部のユーザーには、軽微な通信品質障害が発生していました。バックグラウンドがはっきりしない場合もありました。 この場合はかすれているか、聞こえにくい可能性があります。かちかちする音や歪みが非常にまれですが発生することがありました。
Opensignalの5G音声アプリ・エクスペリエンスでは、国際電気通信連合 (ITU) ベースの手法から派生したモデルを使用してオーバー・ザ・トップ (OTT)音声サービスの5Gに接続した場合のエクスペリエンス品質を測定し、全体的な音声通話品質と一連の測定済技術パラメータを定量化します。モバイル音声アプリ例は、LINE、WhatsApp、Skype、Facebook Messengerです。このモデルでは、技術的な測定値と認識される通話品質との正確な関係を明らかにします。
4オペレーターすべてのOpensignalユーザーは、100 Mbpsを超える平均5Gダウンロード・スピードを体感しました。楽天は、224.3 Mbpsのスコアで5Gダウンロード・スピード・アワードを受賞しました。楽天の5G到達率と5G利用率の低さを反映した他のオペレーター (NTTドコモ、ソフトバンク、au) と比べると、楽天ユーザーの5G使用時の信頼区間が広いため、不確実性の高まりが示されています。
NTTドコモのユーザーは、auの151.1 Mbps、ソフトバンクの139.6 Mbpsのスコアの次に速い5Gダウンロード・スピードを平均161.4Mbpsで体感しました。全オペレーターは、すべてのユーザーの全体的なダウンロード速度エクスペリエンスよりもはるかに高速なダウンロード速度を確認しました。この詳細は、関連する日本におけるモバイルネットワークレポートをご覧ください。
楽天は、5Gアップロード・スピード・アワードで平均速度32 Mbpsのスコアで圧勝し、次点が23.7Mbpsのソフトバンクでした。そのあとはauが13.8 Mbps、NTTドコモ7.9 Mbpsで続きます。楽天は、過去2回の日本におけるOpensignalレポートで総合アップロード・スピード・アワード、また、モバイル・オペレーターレポートでも受賞しているので、この結果は驚きではありません。
アップロード・スピードは、写真やビデオの共有、メールによるドキュメント送信または企業のバーチャル・プライベート・ネットワーク (VPN) への接続に重要です。5G市場の現段階では、モバイル・オペレーターとそのネットワーク機器サプライヤはアップロード・エクスペリエンスにあまり重点を置いていません。しかし、5Gがより多くの周波数帯域、特により低い周波数帯域で始まると、5Gスマートフォンから5G経由でデータを送信しやすくなるため、5Gアップロード・スピードが向上します。