日本
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート
2021年10月
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
これらのカテゴリでは、Opensignalはマルチプレイヤー・モバイル・ゲームやモバイル・ビデオ・ストリーミングの実際のエクスペリエンスを評価しました。ソフトバンクに接続するユーザーは、両方で最高のエクスペリエンスを享受できます。ゲーム・エクスペリエンスでは、ソフトバンクは100ポイント中80.3、ビデオ・エクスペリエンスで75.1のスコアを獲得しました。これらのスコアは、4Gと5G両方の測定を含んだすべてのモバイル技術に接続しているモバイル・ユーザーのエクスペリエンスを反映しています。
前回の報告で楽天は音声アプリ・エクスペリエンス・アワードを受賞しましたが、今回はソフトバンクと楽天の共同受賞でした。音声アプリ・エクスペリエンスでは、人気の高いオーバー・ザ・トップ・コミュニケーション・アプリ (LINE、WhatsApp、FaceTimeなど) で認識される音声通話エクスペリエンスを数値化しています。
Opensignalの楽天ユーザーは平均速度13.4Mbpsで、他のオペレーターのユーザーよりもアップロード・スピードがはるかに速くなりました。これに対しソフトバンクは9.6 Mbps、NTTドコモは9.3 Mbpsでした。4位はauで8.6 Mbpsです。楽天のアップロード・スピード・エクスペリエンスは、他の全オペレーターよりも少なくとも39.5%速くなりました。
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス・カテゴリのランキングは、前回のOpensignalレポートから変わっていません。NTTドコモが引き続き受賞し、auが46.6Mbpsで2位、ソフトバンクが40.6Mbps、楽天が24Mbpsで4位でした。
ほとんどの5G接続では、スマートフォンを4Gに接続し続ける必要があるため、ユーザーが4Gに接続する時間は依然として重要です。4G利用率は、ユーザーが4G以上に接続できる時間の割合を反映しています。ほぼ満点の99.6%で、auがこの賞を受賞しましたが、これは楽天の99%、NTTドコモの98.8%、ソフトバンクの98.2%をわずかに上回っているのみです。
ほとんどの日本のユーザーは、4Gと5Gの両方を含むさまざまなモバイル技術に接続し続けています。この日本におけるモバイル・ネットワーク・エクスペリエン・レポートは、2021年6月1日から8月29日までの90日間で4Gと5Gの両方で得られた実際の測定に基づいて、さまざまな技術のモバイル・ユーザー・エクスペリエンス全体を定量化したものです。また、8地域でのモバイル・エクスペリエンスについても検証しています。
モバイル・エクスペリエンスをより深く理解するため、私たちは日本における5Gユーザーのエクスペリエンスを考察するための追加メトリック(指標)も公表しました。これは賞とは異なります。なぜならこれらの追加メトリックは全ユーザーのエクスペリエンスを表すのではなく、5Gの通信プランと5Gスマートフォンモデルの両方を持つスマートフォンユーザーのエクスペリエンス全体を反映し、5Gユーザーが4Gと5Gに接続している時間を考慮しているためです。
さらにOpensignalは、本レポートに相当するJAPAN 5G体感レポートも初めて検証しました。この5Gレポートでは、5Gユーザーが5Gネットワークに接続している場合のモバイル・エクスペリエンスの質を調べています。
モバイル・ネットワーク・ユーザー・エクスペリエンス・アワード 日本 | ||||
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2021年10月, 日本レポート |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
ビデオ・エクスペリエンス
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ゲーム・エクスペリエンス
| ||||
音声アプリ・エクスペリエンス
| ||||
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
| ||||
アップロード・スピード・エクスペリエンス
| ||||
4G利用率
|
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞者 |
2021年10月,
日本
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ビデオ・エクスペリエンス
|
S
SoftBank
|
ゲーム・エクスペリエンス
|
S
SoftBank
|
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
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N
NTT DoCoMo
|
アップロード・スピード・エクスペリエンス
|
R
Rakuten
|
4G利用率
|
a
au
|
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞引き分け |
2021年10月, 日本
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音声アプリ・エクスペリエンス
|
R
Rakuten
S
SoftBank
|
ソフトバンクはビデオ・エクスペリエンス・アワードの圧倒的勝者であり、ビデオ・エクスペリエンス・スコアが「素晴らしい(75以上)」にランクされた唯一のオペレーターです。つまり、ソフトバンクのユーザーは、すべてのユーザー、ビデオ・ストリーミング・プロバイダ、およびテストされた解像度でかなり一貫したエクスペリエンスを得られ、読み込み時間が短くなり、ほぼ失速することもありませんでした。
ビデオ・エクスペリエンスは、オペレーターのネットワーク上で実際のビデオ・ストリームを測定して、モバイル・デバイスにストリーミングされるビデオ品質を定量化します。この基準では、国際電気通信連合 (ITU) ベースの手法を使っています。この手法は、画質、ビデオ読み込み時間、失速率などの技術的パラメータと、人々が知覚し報告したビデオ・エクスペリエンスとの関係を派生させた詳細な調査に基づいて構築されています。テストされたビデオには、さまざまな解像度が含まれ、世界最大のビデオ・コンテンツ・プロバイダから直接ストリーミングされます。
また、5Gユーザーの全体的なエクスペリエンスも分析しました。このようなユーザーは5Gスマートフォンを所有し、5G接続を使っています。しかし、5Gユーザーには4Gに接続している時間も、5Gに接続している時間もあります。5Gユーザーの結果は、このエクスペリエンス全体の組み合わせを表しています。ソフトバンクの5Gユーザーは、他3社のモバイル・オペレーターと比較して76.7 (ビデオ・エクスペリエンス5Gユーザー) と、最高のビデオ・スコアを体験しました。5G技術だけではありませんが、ソフトバンクと楽天は、本レポートに相当するJAPAN 5G体感レポートでOpensignalの5Gビデオ・エクスペリエンス賞を共同受賞しています。
ビデオ・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
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における 0~100ポイント | ||||
ビデオ・エクスペリエンス - 5Gユーザー
| 75.5 (± 0.28) | 72.0 (± 1.21) | 76.7 (± 0.55) | 72.9 (± 0.38) |
ビデオ・エクスペリエンス - 5Gユーザー | における 0~100ポイント |
N
NTT DoCoMo
|
76 (± 0.28) |
R
Rakuten
|
72 (± 1.21) |
S
SoftBank
|
77 (± 0.55) |
a
au
|
73 (± 0.38) |
マルチプレイヤー・モバイル・ゲームの場合、ソフトバンクもゲーム・エクスペリエンス・アワードを再度受賞しています。100点中80.3というソフトバンクの受賞スコアは、他の3オペレーターよりも高く、その3オペレーターは同じくらいのスコアでした。また、5Gユーザー (5Gスマートフォンと5G通信プラン両方を持つユーザー) 全体で、ソフトバンクの5Gユーザーは、モバイル・マルチプレイヤー・ゲームの総合スコアが83.5で最高でした。
ゲーム・エクスペリエンスは、世界中のサーバーに接続されたモバイルデバイスやネットワークで、リアルタイムのマルチプレイヤー・モバイル・ゲームをプレイするエクスペリエンスを定量化したものです。この手法は、実際のモバイル・ユーザーが報告した通り、技術ネットワークパラメータとゲーム・エクスペリエンスの関係を定量化する数年にわたる調査に基づいて構築されています。これらのパラメータには、遅延、ジッター (遅延の変動) およびパケット損失 (送り先に届かないデータ・パケットの割合) が含まれます。さらに、マルチプレイヤー・モバイル・ゲームの複数のジャンルを考慮して、ネットワーク状況に対する平均的体感を測定します。
ゲーム・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
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における 0~100ポイント | ||||
ゲーム・エクスペリエンス - 5Gユーザー
| 74.1 (± 0.46) | 77.1 (± 1.30) | 83.5 (± 0.72) | 78.2 (± 0.63) |
ゲーム・エクスペリエンス - 5Gユーザー | における 0~100ポイント |
N
NTT DoCoMo
|
74 (± 0.46) |
R
Rakuten
|
77 (± 1.30) |
S
SoftBank
|
84 (± 0.72) |
a
au
|
78 (± 0.63) |
音声アプリ・エクスペリエンスの4つオペレーターの違いは、過去6か月間で減少してきています。そのときは100ポイント中83.1から81.7までのスコアとなりましたが、4社のスコアの現在の差は1ポイント以下です。
前回のレポートでの音声アプリ・エクスペリエンス・アワードは楽天の単独受賞でしたが、今回はソフトバンクが楽天と同じレベルで、共同受賞となりました。これは、日本のすべてのOpensignalユーザーのスコアを表します。しかし、5Gスマートフォンと5G通信プランの両方を持つ5Gユーザーの全体的なエクスペリエンスを見ると、ソフトバンク・ユーザーは楽天ユーザー (81.8) よりも高いスコア (83.5) を獲得しています。
Opensignalの音声アプリ・エクスペリエンスでは、国際電気通信連合 (ITU) ベースの手法から派生したモデルを使って、オーバー・ザ・トップ (OTT)音声サービス (WhatsApp、Skype、Facebook Messengerなどのモバイル音声アプリ) のエクスペリエンス品質を測定し、全体的な音声通話品質と一連の測定済技術パラメータを定量化します。このモデルは、技術的測定値と認識される通話品質との正確な関係性を明らかにします。
音声アプリ・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
---|---|---|---|---|
における 0~100ポイント | ||||
音声アプリ・エクスペリエンス - 5Gユーザー
| 81.5 (± 0.20) | 81.8 (± 0.54) | 83.5 (± 0.34) | 82.1 (± 0.26) |
音声アプリ・エクスペリエンス - 5Gユーザー | における 0~100ポイント |
N
NTT DoCoMo
|
82 (± 0.20) |
R
Rakuten
|
82 (± 0.54) |
S
SoftBank
|
83 (± 0.34) |
a
au
|
82 (± 0.26) |
NTTドコモは、ダウンロード・スピード・エクスペリエンス・アワードを明らかな差をつけて受賞しています。NTTドコモで接続しているユーザーの平均ダウンロード・スピードは52.4 Mbpsで、第2位はauの46.6 Mbpsでした。オペレーター間のランキングは、以前のレポートから変わりません。
楽天はNTTドコモのスコアの半分以下で、今回は24 Mbpsのダウンロード・スピードで4位でした。この結果は、楽天が認可された4Gスペクラムが限られていることと、ユーザーがより高速な5Gサービスに接続できる時間が短いことを反映しています。
全ユーザーではなく5Gユーザーの全体的エクスペリエンスを見ると、NTTドコモが再び最高スコアを獲得し、全体の平均速度は110.4 Mbpsでした。これはau (83.2Mbps)、ソフトバンク (75.6Mbps)、楽天 (54.6Mbps) を使っている5Gユーザーよりも高速です。
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
---|---|---|---|---|
における Mbps | ||||
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス – 5Gユーザー
| 110.4 (± 1.47) | 54.6 (± 6.26) | 75.6 (± 2.66) | 83.2 (± 2.18) |
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス – 5Gユーザー | における Mbps |
N
NTT DoCoMo
|
110 (± 1.47) |
R
Rakuten
|
55 (± 6.26) |
S
SoftBank
|
76 (± 2.66) |
a
au
|
83 (± 2.18) |
楽天は、13.4Mbpsのスコアでアップロード・スピード・エクスペリエンス・アワードを維持しています。Opensignalの分析では、楽天ユーザーは過去18か月間、常に高速な平均アップロード・スピードを体感しています。楽天は、既存のモバイル・ネットワーク・オペレーターとは異なり、4Gと5G両方に対応したまったく新しいアクセスネットワークを構築しており、この点がエクスペリエンスの違いの理由です。
アップロード・スピード・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
R
Rakuten
|
S
SoftBank
|
a
au
|
---|---|---|---|---|
における Mbps | ||||
アップロード・スピード・エクスペリエンス - 5Gユーザー
| 8.2 (± 0.11) | 16.6 (± 0.85) | 13.4 (± 0.41) | 9.3 (± 0.19) |
アップロード・スピード・エクスペリエンス - 5Gユーザー | における Mbps |
N
NTT DoCoMo
|
8 (± 0.11) |
R
Rakuten
|
17 (± 0.85) |
S
SoftBank
|
13 (± 0.41) |
a
au
|
9 (± 0.19) |
全4オペレーターにおけるユーザーが4G以上に接続できる時間である4G利用率はほぼ満点です。5Gは全オペレーターで利用できるようになりましたが、5G技術の初期型 (ノン・スタンド・アロン・アクセス (NSA)) では、スマートフォンが5Gにも接続されている場合でも、常に4Gに接続し続ける必要があります。つまり、5Gの世界では、優れた4Gネットワークが引き続き重要であるということです。ただし、オペレーターがスタンド・アロン・アクセス (SA) 5G技術に切り替えると、4Gの重要性は低下します。
日本の8地域では、国内の受賞状況の類似点と相違点の両方があります。
東京を含む関東では、ソフトバンクがゲーム、音声アプリ、ビデオ・エクスペリエンスの3つのエクスペリエンス・アワードすべてを受賞しています。NTTドコモと楽天は、それぞれダウンロード・スピードとアップロード・スピードのメリットを反映し、auは4G利用率の受賞を維持しています。しかし、全国的なアワードとは異なり、楽天は音声アプリ・エクスペリエンスを共同で獲得できませんでした。
日本の地方部の楽天のユーザーではエクスペリエンスが弱くなっています。この新規参入オペレーターは近畿、中部、関東ではアップロード・スピード・エクスペリエンス・アワードを受賞していますが、中国地方ではソフトバンクが受賞し、東北、九州ではソフトバンクとauの共同受賞でした。また、北海道では、NTTドコモ、楽天、ソフトバンクで同点のアップロード・スピード・エクスペリエンスとなっています。また、楽天は、四国のアップロード・スピード・エクスペリエンスでauと共同受賞しました。
NTTドコモでは、8地域すべてで最速のダウンロード速度を実現しています。
ソフトバンクがゲームおよびビデオ・エクスペリエンスで成功した全国的な度合いは、地域レベルで反映されていますが、地域によって異なります。ビデオ・エクスペリエンスでは、ソフトバンクが中部、中国、北海道、関東、近畿、東北で全勝となりましたが、他地域では共同受賞に甘んじました。ゲーム・エクスペリエンスでは、中部、関東、近畿で圧倒的な差で受賞し、東北、四国では共同受賞、他の3地域でも共同受賞でした。
個々の内訳を示すためには下記地域を選択してください