
日本
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート
2020年10月
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
2020年初旬に楽天は自社ネットワークを立ち上げました。その結果、Opensignal Japanモバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・レポートに楽天を含めたのは初めてです。しかし、その新参入企業を含めたレポートでソフトバンクが9.9Mbps、ドコモが9.5Mbps、そして、auが8.3Mbpsであったのに比較し、楽天ユーザーは11.8Mbpsのアップロード・スピードを目にし定評のある3事業者を上回っています。それは初めての試みとして新規事業者がOpensignal賞を獲得するのは普通の事ではありません。
当社のユーザーは、48.8Mbpsで2位のauの先を行く、NTTドコモを使い52.3Mbpのスピードを目にしていました。4月の直近のレポートにあるように、ドコモは、日本のOpensignalダウンロード・スピード賞を獲得しています。新規参入の楽天が21.6Mbpsで遅れていましたが、3位のソフトバンクは42.7Mbpsのスピードで若干遅れています。
ビデオ・エクスペリエンスで79.1のスコアを持つソフトバンクは、ドコモとauを出し抜き再度Opensignal賞を獲得しています。ソフトバンクとすぐ次のライバルは前回のレポート以来、差を縮めています。4月に戻ると3.4ポイントがこの3事業者を分けており、現在3.1ポイントがソフトバンク、ドコモ、そして、auのビデオ・エクスペリエンスを分けています。しかし、楽天は64.9のスコアであり3位事業者から11ポイントで出遅れています。
初めて、Opensignalは日本に於けるマルチプレイヤー・モバイル・ゲーム・エクスペリエンスを比較し、ソフトバンクがビデオ・エクスペリエンスと音声アプリ・エクスペリエンスに対する他のエクスペリエンス賞にこの賞を加えています。しかし、競争は厳しく、この4事業者のそれぞれについてゲームと音声アプリについてユーザーのエクスペリエンスでの差は数ポイントがあるだけです。
日本の4Gユーザーが4G技術に接続されて費やす時間や4利用率はほぼ、100%です。Opensignalの4G提供賞の獲得者のauは驚きの99.3%のスコアです。日本の4位の事業者でさえ更に驚きの97.8%のスコアです。日本で5Gが現在サービス開始となりましたが「非スタンドアロン・アクセス」技術を使う現在の5Gサービスは、5Gスマートフォンが5Gの電波に接続するために4G接続が続く必要があるため4Gは引き続き重要です。
日本のモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスを直近に見た所で、我々は新規ネットワーク事業者の楽天と長年実績のあるライバルを初めて比較します。楽天は、より効率的な方法でモバイル・サービスを提供するために最新のネットワーク技術、新規ベンダー、そして、革新性を利用する大きな野望を持っています。このレポートでは、楽天ユーザーの現実世界のエクスペリエンスと同社の目標をどのように比較できるのかを把握します。
また、初めて、我々はOpensignalの日本のゲーム・エクスペリエンス賞の第1回獲得者を明らかにします。ここでこの20年間のモバイル・ゲームの膨大かつ長期の人気を考えると ー 世界の殆どの他国よりもずっと長期間 ー 日本のモバイル・ゲーム・エクスペリエンスの高品質さを見るのは驚きです。
我々の最近の 2020年グローバルモバイル・ネットワーク・エクスペリエンス賞 では、日本の事業者は高く評価されたと報告しています:
しかし、日本のモバイル・ユーザーにとっては、日本国内でサービスを提供する日本の事業者のエクスペリエンスを比較することが有用です。
モバイル・ネットワーク・ユーザー・エクスペリエンス・アワード, 日本 | ||||
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NTT DoCoMo
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SoftBank
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au
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Rakuten
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2020年10月, 日本
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ビデオ・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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ゲーム・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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音声アプリ・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
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N
NTT DoCoMo
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アップロード・スピード・エクスペリエンス
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Rakuten
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4G利用率
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a
au
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ソフトバンクは再び0-100スケール評価で79.1のスコアでビデオ・エクスペリエンス賞を獲得し「素晴らしい」のカテゴリーに入りました。これは、ユーザーが非常に一貫したエクスペリエンスを確認し、ビデオ・ストリーミング配信企業と解像度テストにおいても高速な読込時間で、失速は殆ど無いことを意味します。NTTドコモとauもそれぞれ、77.2と75.9のスコアで「素晴らしい」の評価となりました。
楽天のユーザーのビデオ・エクスペリエンスは64.9のスコアで「良い」というカテゴリーに入りました。これは著しく遅い読込時間と失速が珍しくない様な状態で、ユーザーが同じビデオ・ストリーミング配信企業と特に高解像度ビデオからだと、あまり一貫性のないエクスペリエンスであると確認していることを意味します。新規に立ち上げた事業者として、楽天がそのネットワークの拡大を続けるため、同社のユーザーのモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスがどの様に変化するのかを見る事は極めて重要です。それが拡大するにつれて、同社はネットワークのキャパシティーと新規顧客の両方を増大していき、それが結果として楽天ユーザーのモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスに影響を及ぼす事になります。
我々が日本の各事業者のゲーム・エクスペリエンスを分析したのはこれが初めてです。Opensignalのゲーム・エクスペリエンス・メトリックスは、事業者のネットワーク上でどのようにモバイル・ユーザーがリアルタイム・マルチプレイヤー・モバイル・ゲームを体験しているかという事を示す測定です。0-100スケール評価で測定し、それはゲーム・プレイと全体的なマルチプレイヤーのゲーム・エクスペリエンスへの影響を判断するために、遅延、パケットロス、ジッターを含むモバイル・ネットワーク状況による、マルチプレイヤー・ゲーム・エクスペリエンスへの影響を分析します。
ソフトバンクは、0-100スケール評価で84.9ポイントを得て日本初のOpensignalのゲーム・エクスペリエンス賞を獲得しました。しかし、このカテゴリーの競争は激しく、ドコモが84.6、auが83.3、そして、新規事業者の楽天は81.8のスコアで定評のある事業者のわずか遅れを取っており、4社を分けるのは数ポイントです。楽天のゲーマーはゲーム・エクスペリエンスは4位であるけれども、新規参入の通信事業者としての楽天のスコアは獲得者に素晴らしいほど近いものです。
ゲーム・エクスペリエンスは、世界中にあるサーバーにモバイル・デバイスを接続した状態で、リアルタイム・マルチプレイヤー・モバイル・ゲームをプレイしている際のエクスペリエンスを数値化しています。このアプローチは、数年に渡るテクニカル・ネットワーク・パラメーターと実際のモバイル・ユーザーから報告を受けたゲーム・エクスペリエンスの間の関係性を数値化した結果に基づいています。このパラメーターには遅延(往復時間)、ジッター(遅延の変動性)、パケット・ロス(宛先に到達しないデータパケットの割合)が含まれています。更に、ネットワーク状況への平均感度を測定するため、複数のマルチプレイヤー・モバイル・ゲームの複数ジャンルも考慮しています。テストされたゲームには、バトルロイヤル、スポーツ、そして、マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ(MOBA)ゲームでの人気のリアルタイム・マルチプレイヤー・モバイル・ゲームが含まれいます。このジャンルのゲームの例には、Arena of Valor、フォートナイト、フリー・ファイア、Knives Out、そしてPro Evolution Soccerが含まれています。
他の接近したレースでは、ソフトバンクはこのレポートで、音声アプリ・エクスペリエンスからゲーム・エクスペリエンスとビデオ・エクスペリエンス賞迄含めOpensignal賞の3部門を獲得しました。全4社の事業者での我々のユーザーは、100ポイントの尺度の1ポイント以下のスコアで音声アプリ・エクスペリエンスで「良い」評価と分かりました。改めて、楽天は別の獲得カテゴリーでこの3つの実績のある事業者にこれほど近づくほど好調でした。
Opensignalの音声アプリに対するエクスペリエンスは、オーバー・ザ・トップ(OTT)音声サービスのエクスペリエンス品質を測定するものであり、国際電気通信連合(ITU)から発生したモデルを使用するWhatsApp、Skype、Facebookメッセンジャー等のモバイル・デバイスアプリを基にして、全体的な通話品質と一連の校正された技術的パラメーターを測定します。このモデルは技術的測定と知覚される通話品質の間に生じる正確な関連性を特徴付けています。
NTTドコモのユーザーは、第2位のauの48.8Mbpsのスコアを若干超える52.3Mbpsのスコアで最速のダウンロード・スピード・エクスペリエンスを見ていました。ソフトバンクは若干遅い42.7Mbpsで3位ですが、楽天のユーザーは21.6Mbpsのスコアで実績のある事業者3社よりも目に見えて遅いダウンロード・スピードを目にしていました。
ダウンロード・スピードとビデオ・エクスペリエンスのカテゴリーの結果は、様々な方法でモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスを測定することが重要である理由を強調しています。ビデオとゲームのトラフィックの様々な特徴や事業者が自社ネットワークの様々な種類のデータ・トラフィックを管理する方法からビデオやゲーム・エクスペリエンスを測定することは不可能です。例えば、ドコモはダウンロード・スピード・エクスペリエンス賞を獲得しましたが、ビデオ・エクスペリエンスでは2位です。同様に、ビデオ・エクスペリエンスの獲得企業のソフトバンクはダウンロード・スピード・エクスペリエンスでは3位でした。
新規事業者は通常、技術的なネットワークの初期の立ち上げの問題を解決し、ネットワークの範囲拡大、そして、ユーザーに優位性のあるネットワーク体験を提供する十分なキャパシティーを増やすには時間が掛かります。このために、Opensignalがグローバルに見るほとんどの事業者は、モバイル・ネットワーク・エクスペリエンスの方策に既存の事業者をマッチさせようと取り組んでいるため、ユーザーを魅了し、彼らに切り替えさせるためにモバイル・サービスの価格を下げる方策を取っています。
しかし、楽天は初めての試みで主要Opensignal賞を獲得する事により、新しいものを想像しました。楽天のユーザーは、9.9Mbpsで第2位のソフトバンクのスコアの先を行く11.8MbpsでOpensignalアップロード・エクスペリエンス賞を獲得しており、最速の平均アップロード・スピードを目にしています。NTTドコモは9.5Mbpsで3位で続き、8.3Mbpsのauがのろのろと後を追っています。
我々が見てきてのはなぜ楽天のモバイル・エクスペリエンスが日本又は世界への課題となり得るのかで、それはユーザーが楽天の自前の無線ネットワークに接続するかどうか、または楽天のネットワークを使えないがパートナーのKDDIにローミング出来る日本の他の場所で接続しているのかに基づいています。以前、楽天を見た所、アップロード・エクスペリエンスはローミングと比較し楽天の自社ネットワークを使用した時2倍以上高速だった事が分かりました。この違いが続く場合、楽天が自社ネットワークの範囲を拡大し、ユーザーがネット上で時間を費やすと、楽天のユーザーの全体の併せたアップロード・スピードは更に高まります。
日本の事業者間の4G提供に於ける違いについては、それが広く良好であるため、あまり述べることはありません。4Gに接続してユーザーが費やす時間の測定は、4社の事業差で僅か1.5パーセントの違いがあります。獲得者のauには99.3%のほぼ完璧なスコアがあります。再度、楽天ユーザーのモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスは、4Gを提供する既存の事業者に相当します。
5Gが日本で提供開始となりましたが、事業者は5Gの標準及び非スタンドアロン・アクセス(NSA)の最初のバージョンを使用しています。これは、5Gスマートフォン・ユーザーが5Gネットワークに接続するために、同時に4Gにも接続していなければなりません。そのため、今のところ、日本の広域4G提供は、4Gユーザーをサポートするだけでなく、5Gサービスのための必須で貴重な基礎となっています。日本の事業者がスタンドアロン・アクセス(SA)で5Gを立ち上げる際に、5Gユーザーは5Gに接続するにはもはや4Gを必要としません。しかし、非常に少ない事業者が現在迄にSAを立ち上げています。
日本の事業者は様々なモバイル技術世代を使用しています。このレポートで扱った期間、楽天は4Gサービスのみのサービスを提供していましたが、今、この度、5Gを立ち上げました。他の事業者3社は4Gと5Gの両方を含め、場合によっては3Gも各技術世代を組み合わせて提供していました。
Opensignalは、日本の15都市をカバーするために日本のモバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・レポートに含まれる都市数を拡大しました。我々は多くの場所での全国的な結果の違いと、特に、楽天ユーザーのエクスペリエンスの幅広いバリエーションを確認し、多くの都市で、楽天ユーザーは既存の事業者に近いネットワーク・エクスペリエンスを確認しています。
東京では、auが57.2Mbpsでダウンロード・スピード・エクスペリエンス賞を獲得し、全国的な獲得者のドコモは2位となっている。それは大阪で全国的な賞の同じ逆転で、再度auがドコモを獲得で打ち負かしました。しかし、東京での楽天のダウンロード・スピード・エクスペリエンスは東京で35.2Mbpsのスコアで、46.2Mbpsの3位のソフトバンクのスコアからわずか数Mbps遅れており、全国的に獲得者にずっと近いものです。
多くの都市では、楽天のユーザーのエクスペリエンスは目に見えて他よりも優れています。福岡、広島、神戸、そして札幌では、エクスペリエンスは大きく弱いです。これは、楽天の4Gネットワークがそうした都市で低無線キャパシティーを展開している為あり得ます。Opensignalは、楽天の4Gネットワークは1800 MHzバンドを使っており、同社は東京のような場所でかなり20 MHzから場所によっては僅か5 MHzの範囲で様々な都市の様々な量のスペクトラムを展開して来たという事は分かっています。楽天は、全体として8都市の賞を完全に獲得しており更に23の都市の賞を併せて獲得しています。
ソフトバンクは、船橋での音声アプリ・エクスペリエンスを除き、ゲーム、ビデオ、音声アプリのエクスペリエンス都市賞を獲得、又は、共同獲得しています。
任天堂の本社がある京都では、ゲーム・エクスペリエンス賞は、ソフトバンクが完全に獲得していますが、ダウンロード・スピード・エクスペリエンスは、ドコモとauが共同で獲得し、ソフトバンクが3位です。多くの世界遺産の場所の写真やビデオを共有しようとする観光客にとって、全ての事業者4社は京都においてはアップロード・エクスペリエンス賞で並んでいます。
個々の内訳を示すためには下記地域を選択してください