日本
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート
2020 年 4 月
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
Opensignalはユーザーの方々のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感を分析する独立したグローバル・スタンダードを有しています。弊社の商業レポートはモバイル・ネットワークにおいてユーザーの方々が実際に体感している経験を理解する為の決定的な指標となるでしょう。
モバイル・ビデオ・エクスペリエンスに関するOpensignal独自の計測において、ソフトバンクは、KDDI auのスコア(77.5ポイント)とNTTドコモの(77.0ポイント)をわずかに上回る80.4ポイントのビデオ・エクスペリエンススコアを獲得しました。これらのスコアを獲得した日本の通信事業者は世界トップクラスの評価を受けています。他国の事業者がこのような高いスコアを達成することは稀です
通信スピードは、優れたビデオ・エクスペリエンスを保証するものではありません。なぜなら、通信事業者は、ビデオ・ストリームを、持続性のあるパフォーマンスを必要とするビデオおよびデータと異なる方法で管理するためです。ソフトバンクは、「ビデオ・エクスペリエンス」ではトップでしたが、「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」では3位(平均速度:42.7 Mbps)で、2位のau(48.1 Mbps)、1位のドコモ(52.7 Mbps)に水をあけられる結果となっています.
ドコモは10.3 Mbps の速度で、0.3 Mbpsの僅差でソフトバンクを抜き、「アップロードエクスペリエンス賞」を受賞しました。一方で、3位のau(8.2 Mbps)は、上位2社に後れを取っています。したがって、au契約ユーザーは、メディア共有や電子メール送信の際、よりフラストレーション感じることになるでしょう
日本は、4Gの高い普及率を誇ります。すべての通信事業者の契約ユーザーは、ソフトバンク(97.8%)やau(99.0%)が示す通り、ほとんどの時間を4Gに接続しています。そんな中ドコモは、「4Gカバレッジ・エクスペリエンス賞」に輝きました。5Gの商用化が迫る中、日本の通信事業者が2020年に5Gの可用性をどこまで高められるかが重要です。
ソフトバンクは、ドコモの42.4ms、auの44.3msよりも5ms以上速い36.2msのスコアで「遅延エクスペリエンス賞」を獲得しました。遅延は、マルチプレイヤー オンライン ゲームや Web 閲覧など、さまざまなモバイル アプリケーションに決定的な影響をおよぼします。
日本は世界のモバイル・イノベーション分野で、長きに渡り高い評価を得ると共に、モバイル・ネットワークの品質において、優れたユーザー・エクスペリエンスを誇ります。最近のレポートでは、 日本は、ユーザーのモバイル・ゲーム・エクスペリエンスにおいて100カ国中3位にランクされています さらに、におけるOpensignalが実施した日本市場の最新の測定・分析によれば、日本のユーザーは、最高クラスのモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスを得ていることが分かっています。
日本では5Gの商用化が間近に迫る中 通信事業者は、2020年3月、4月のサービス開始を目指しています。5Gを提供する最初の国ではありませんが、日本の事業者は 膨大な容量を備える新しい5Gに適したスペクトラムを保持するため、 最も速い国の一つを目指しています。日本では、各事業者が少なくとも100Mhzのプライム・ミッドバンド・スペクトラム(他国では非常に稀)と、ミリ波(mmWave)スペクトルを保持しています。mmWaveベースの5Gサービスは現在のところ、米国のみで開始されています。スピードが非常に高速な場所.
また、日本のモバイル環境は、モバイル仮想ネットワーク事業者から、独自のネットワーク、スペクトラム、ならびにインフラを備えたフル・プレーヤーへの移行を推進している楽天の参入によって、急速に変化しています。 本レポートでは、楽天の通信サービスに関するデータや分析は含まれていません。. しかし、日本の通信業界は、独自のテクノロジーとビジネスのアプローチを有する楽天の参入によって、世界的に注目を集めることになります。同社は、 さまざまな種類のベンダーと、最新の仮想化された.
楽天は、破壊的な料金プランを発表し、 同社の新しいネットワーク経由で無制限のデータ送信を可能にする予定です。しかし、このプランにおいては、楽天のネットワーク・カバレッジ外の利用では制限が掛かります。これは、楽天ユーザーの日本国内のカバレッジ拡大が重要であることを意味します。モバイル・ネットワーク・ユーザー・エクスペリエンス・アワード 日本 | |||
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2020 年 4 月, 日本レポート |
N
NTT DoCoMo
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S
SoftBank
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a
au
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ビデオ・エクスペリエンス
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音声アプリ・エクスペリエンス
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ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
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アップロード・スピード・エクスペリエンス
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遅延時間に対するユーザー体感
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4G利用率
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4Gカバレッジ・ユーザー体感
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モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞者 |
2020 年 4 月,
日本
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ビデオ・エクスペリエンス
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S
SoftBank
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ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
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N
NTT DoCoMo
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アップロード・スピード・エクスペリエンス
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N
NTT DoCoMo
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遅延時間に対するユーザー体感
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S
SoftBank
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4G利用率
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a
au
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4Gカバレッジ・ユーザー体感
|
N
NTT DoCoMo
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モバイル・ネットワーク・ユーザー体感受賞引き分け |
2020 年 4 月, 日本
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音声アプリ・エクスペリエンス
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N
NTT DoCoMo
S
SoftBank
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ソフトバンクは、auとドコモを抑えて、「モバイル・ビデオ・エクスペリエンス賞」を受賞しました。しかし、3社の契約ユーザーは、Opensignalのビデオ・エクスペリエンス測定で最も高い「Excellent」と評価しています。
「ビデオ・エクスペリエンス」は、現実世界のビデオ・ストリームを測定し、ITUベースのアプローチを使用して、画質、ビデオの読み込み時間、失速率を考慮したビデオ品質を判定するものです。 評価は0-100スケールでスコアが75 を超えると「Excellent」と評価されます。
ビデオ・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
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S
SoftBank
|
a
au
|
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における 0~100ポイント | |||
4Gビデオ・エクスペリエンス
| 77.3 (± 0.17) | 80.6 (± 0.21) | 77.5 (± 0.16) |
4Gビデオ・エクスペリエンス | における 0~100ポイント |
N
NTT DoCoMo
|
77 (± 0.17) |
S
SoftBank
|
81 (± 0.21) |
a
au
|
78 (± 0.16) |
「音声アプリ・エクスペリエンス賞」では、3社がわずか0.3ポイント差の接戦となりました。すべての通信事業者のユーザーは、音声アプリ・エクスペリエンスにおいて、それぞれが契約する通信事業者を「Good」と評価しています。これは、同3社が「Very Good」または「Excellent」の獲得に向けてまだ改善の余地があることを示しています。音声アプリ・エクスペリエンス賞では、ドコモとソフトバンクが統計的に同等の評価を得ています。
「音声アプリ・エクスペリエンス」は、LINE、WhatsApp、Skype、Facebook Messengerなどのモバイル・アプリにおける、オーバー・ザ・トップ(OTT)音声サービスのエクスペリエンスを測定するものです。ITU ベースのモデルは、テクニカルな測定とユーザーの知覚音声品質との関係を特徴付けます。音声アプリ・エクスペリエンスでは、0 -100 ポイントのスケールを使用し、値が高いほど優れたエクスペリエンスであることが示されます。
音声アプリ・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
S
SoftBank
|
a
au
|
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における 0~100ポイント | |||
4G音声アプリ・エクスペリエンス
| 83.8 (± 0.06) | 84.0 (± 0.13) | 83.5 (± 0.09) |
4G音声アプリ・エクスペリエンス | における 0~100ポイント |
N
NTT DoCoMo
|
84 (± 0.06) |
S
SoftBank
|
84 (± 0.13) |
a
au
|
83 (± 0.09) |
「ダウンロード・スピードのエクスペリエンス」のカテゴリーでは、 1 位と 2 位に明確な差が存在しています。ドコモ・ユーザーの平均速度は、2位のauよりも4.6 Mbps高速であり、ソフトバンクで接続しているユーザーよりも10 Mbpsも高速です。
初期の5Gサービス展開が4Gネットワークに依存することが大きいため、このモバイル・ネットワークのエクスペリエンスは、5Gサービス開始にあたりとても重要な要素となります。初期の非スタンド・アロン・アクセス(NSA)5Gテクノロジーにより、5Gスマートフォンは1つ以上の4Gシグナルと、5Gシグナルの両方に同時接続し、それらのすべてのスループットを組み合わせることで、全体的なダウンロード性能を達成します。その結果、より高速な4Gネットワークは、さらに高速の5G性能の実現に向けた、より強力な基盤と推進力を提供します。
また通常、通信事業者は各5Gセル・タワーの場所(バックホールとも呼ばれる)に配備される接続の容量をアップグレードして、5Gの高速化をサポートしますが、この追加容量は4Gユーザーにもメリットを提供します。
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
S
SoftBank
|
a
au
|
---|---|---|---|
における Mbps | |||
4Gダウンロード・スピード・エクスペリエンス
| 53.3 (± 0.34) | 43.7 (± 0.41) | 48.1 (± 0.30) |
4Gダウンロード・スピード・エクスペリエンス | における Mbps |
N
NTT DoCoMo
|
53 (± 0.34) |
S
SoftBank
|
44 (± 0.41) |
a
au
|
48 (± 0.30) |
アップロード・スピードは、ダウンロード・スピードと比較して大幅に低速で、約 4 分の 1 から 5 分の 1 程度になります。ソフトバンクは、「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」において、勝者であるドコモと明確な差をつけられる一方で、「アップロード・スピード・エクスペリエンス」では、ドコモ・ユーザーとほぼ同等の性能を提供していることが示されています。
驚くべきことに、auは、「アップロードエクスペリエンス」において2位でしたが、「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」では3位に転落し、ソフトバンクとドコモのユーザーが体験する性能に遅れをとっています。同2社は、ユーザーの「アップロード・スピード・エクスペリエンス」において、auより20%以上高い性能を提供していることを確認しています。
アップロード・スピード・エクスペリエンス
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
S
SoftBank
|
a
au
|
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における Mbps | |||
4Gアップロード・スピード・エクスペリエンス
| 10.4 (± 0.07) | 10.2 (± 0.10) | 8.2 (± 0.06) |
4Gアップロード・スピード・エクスペリエンス | における Mbps |
N
NTT DoCoMo
|
10 (± 0.07) |
S
SoftBank
|
10 (± 0.10) |
a
au
|
8 (± 0.06) |
ソフトバンクは、「遅延エクスペリエンス」のスコアで36.2msと、明確な勝利を収めており、ドコモより6.2ms、auより8.1ms高い性能を提供しています。各 Web ページは、多数のファイルで構成されているため、応答性の高いモバイル・ネットワーク・エクスペリエンスは Webブラウジングにとって重要です。各アプリはスマートフォンのウェブ・ブラウザ・アプリによって個別にリクエストされます。つまり、各リクエストでの遅延は、実際の遅延に起因するものです
遅延は、pingと呼ばれるオンライン・マルチプレイヤー・ゲームの重要な特徴です。「Knives Out」や「PUBG Mobile」のようなバトルロイヤルゲームの台頭と同様に、スマートフオンライン・マルチプレイヤー・ゲームォンでプレイする「Arena of Valor」のような大規模なオンライン・バトル・アリーナ(MOBA)ゲームの継続的な成功は、遅延は重要な要素となっていること反映しています。
遅延時間に対するユーザー体感
追加のメトリック(指標) |
N
NTT DoCoMo
|
S
SoftBank
|
a
au
|
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における ms | |||
4G遅延時間
| 41.7 (± 0.09) | 35.7 (± 0.14) | 44.3 (± 0.09) |
4G遅延時間 | における ms |
N
NTT DoCoMo
|
42 (± 0.09) |
S
SoftBank
|
36 (± 0.14) |
a
au
|
44 (± 0.09) |
2020年に日本で商用化される5Gですが、日本の通信事業者が全国に5Gネットワークを拡張するには時間がかかります。さらに、非スタンド・アロン・アクセスを使用する初期の 5G サービスでは、5G が機能するために同時使用可能な4G 接続が必要になります。こうした理由から、4Gは、少なくとも来年の日本のモバイル・エクスペリエンスの基盤であり続けるでしょう。
「4Gアベイラビリティ賞」は、ユーザーが4Gネットワークへの接続に費やす時間の割合を示します。3社は、非常に高いレベルの4G可用性を実現していますが、auが、「4Gアベイラビリティ賞」を僅差で受賞しています。日本の各都市では、国の大きさと都市部の広さを考慮すると驚くべきことではありませんが、全国的な状況とは異なる結果が見られます。
東京では、auが「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」において、日本全国平均スピードで勝者であるドコモを上回っています。これは、東京のauユーザーが高い性能を体験している一方で、東京のドコモ・ユーザーは日本全国の平均スピードよりも2.6 Mbps遅い性能を得ていることを示しています。また、ソフトバンクは、首都圏での「音声アプリ・エクスペリエンス」で他社を上回っていますが、日本全国の結果においてはドコモと同等の性能を提供します。
大阪では、「4Gアベイラビリティ賞」をauとドコモ共に受賞していますが、auが日本全国の結果において明らかな勝者であることが確認できます。しかし、auは、「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」における全国平均スピードでトップのドコモから、大阪でのトップの座を勝ち取りました。また、名古屋ではドコモが「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」と「アップロード・スピード・エクスペリエンス」の両方で最高性能を提供しています。
古都京都では、通信事業3社がほとんどの分野で拮抗する一方で、日本全国平均とは大きく異なる結果が示されています。京都では、ソフトバンクが唯一「遅延エクスペリエンス」において明確な勝利を獲得しています。
個々の内訳を示すためには下記地域を選択してください