日本の交通拠点における5Gの体感:山手線と国際空港

日本に関するOpensignalの最新分析では、日本の国際空港や世界有数の繁華な駅を結ぶ東京の山手線など、交通量の多いエリアでの5Gモバイル・エクスペリエンスについて分析しています。また、山手線内やこれらの主要空港にいる当社のユーザーは、東京や横浜市の平均よりも高い時間、5Gサービスに接続することができました。しかし、通信量の多い地域と都市や日本全体の平均を比較すると、5Gダウンロード・スピードの差はそれほど大きくはありません。

山手線内の5Gユーザーは、17.2%の確率で5Gサービスに接続しており、これは東京と横浜のいずれと比べても2.3～2.6倍高い数値です。このように5Gの利用率が高いのは、日本のオペレーターが山手線の利用者に向けて5Gインフラ展開を行ったことが一因と考えられます。

しかし、山手線の5G利用率スコアは、日本の2大都市よりも統計的に高かったのに対して、全体的なダウンロード・スピードと5Gダウンロード・スピードについては、異なる結果が見られました。山手線内のユーザーの全体的な平均ダウンロード・スピードは47.9Mbpsでした。この結果は、当社の東京都内のユーザーが体感したスピードとほぼ同じであり、横浜市のスコアと統計的に同じでした。同様に、「5Gダウンロード・スピード」についても、山手線内のユーザーと東京・横浜の平均値との間に統計的な有意差は認められませんでした。 

山手線の最寄り駅におけるモバイル・ネットワークの体感速度を見ると、渋谷駅では45.2Mbps、秋葉原駅では56.6Mbpsと、全体的なダウンロード・スピードの体感速度に違いが見受けられます。つまり、秋葉原駅のユーザーは、渋谷のユーザーよりも25.2%速い全体的な平均ダウンロード・スピードを体感したことになります。5Gダウンロード・スピードの平均値を見ると、東京駅は池袋よりも38.7%速い速度が出ています。当社の秋葉原駅での5Gユーザーは、ほぼ4分の1の時間で5Gサービスに接続しました。

山手線は、六本木、渋谷、新宿といった東京の主要な商業・金融の中心地や、ナイトライフで知られる繁華街を通過しています。時間帯によるモバイル・エクスペリエンスの違いを見ると、午前中、6時から12時の間に、4Gと5Gの平均ダウンロード・スピードが全般的に速いことが確認されました。当社のユーザーは、午前中と比較して、午後は4Gで14.4％、5Gで39％下落しました。 

また、スマートフォン・ユーザーが中部、羽田、関西、成田、大阪の国際空港でモバイル・サービスに接続した際の平均的なモバイル・ネットワークの体感も分析しました。ダウンロードの平均速度は49.8Mbpsで、日本の平均値より7.9%上回っています。しかし、当社のユーザーは、日本の国際空港での5Gモバイル・エクスペリエンスと全国平均との間に統計的に有意な差はないと判断しています。5Gサービスへの接続率は8.6％で、全国平均のほぼ2倍の頻度で接続した。

しかし、当社のユーザーは、日本最大の空港で携帯電話の電波が届かない状態が4.1%もあり、全国平均の約8倍にもなっています。これは、空港の奥まった場所や遠くのスポット、モバイル信号が入りにくい建物内の壁、規制の制限など、モバイル・インフラを提供する上での課題があるためと思われます。以前、当社は米国で最も利用者の多い空港で同様の問題が発生したことがありました。 

電力レベル規制の緩和により、トラフィックの多いエリアでの5G体感は改善されるはずです。

山手線のような交通量の多いエリアでの5Gダウンロード・スピード・エクスペリエンスは、統計的に東京都や横浜市の平均と同程度であるのに対し、5G利用可能時間は大幅に上回っていることが分析から読み取れました。また、東京の交通量の多いエリアでは、1日を通して5Gの平均ダウンロード・スピードが低下していることがわかりました。

今日、日本の5G体感は固定衛星サービスや空港付近の高度計など、他のサービスとの干渉を避けるために設計され厳格なパワー・エミッション・ガイドラインによって悪影響を受けています。ただし、これらが2023年に緩和され、東京都区部を含めている可能性が高いです。電力規制がそれほど厳しくないため、日本の交通量の多い地域のモバイル・ユーザーは、各基地局から5G信号がより遠くまで届き、より良い屋内5G体感の恩恵を受けられるはずです。

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